2017年6月、サロマ湖100キロウルトラマラソンの完走を果たした。翌18年も11時間45分11秒で完走。記録を前年から45分ほど短縮できた。サロマは23年までに4回出走し、いずれも完走できたが、今のところ18年の記録が自己ベストだ。
13年9月に狭心症の発作で倒れてから、100キロウルトラマラソンを完走できるまでに3年と9カ月かかった。この間には、フルマラソンで4時間を切るサブ4も達成できた。サブ4はフルマラソンの全完走者の二十数%とされる。

冠動脈左前下行枝に75%の狭窄(きょうさく)がある心臓で、どうしてこのようなことができたのだろうか。私の体で何が起こったと考えられるのか。
どうしてもそれが知りたくて、動脈硬化について最先端の研究をする佐田政隆・徳島大学大学院循環器内科学分野教授を訪ねた。
佐田教授から、筆者の冠動脈の病変についての見立てを聞き、筆者は最初の発作が狭心症レベルで済んだことが「本当に幸運」だったことを思い知らされます。実は、筆者の冠動脈の狭窄の状態は……。
佐田教授は1963年5月生まれで、私の4歳年上だ。県立熊本高校出身で東京大学医学部卒。東京大学大学院医学系研究科先端臨床医学開発講座客員准教授などを経て、現職に就いている。心臓病患者の体力を回復させ、快適な家庭生活や社会復帰をめざす日本心臓リハビリテーション学会の副理事長も務める。
日本心臓財団佐藤賞などを受…